松本市の風致

はじめに
 松本市で風致条例を作るとのことで、大いに期待している。松本市は花いっぱい運動発祥の地であることを自負しているが、美化から風致へと転換しようとするものだろうかと推測している。これは今日の緑の市民会議で明らかになるであろうが、楽しみである。

風致地区に関する申請の手引き
 風致地区は都市計画制度の中で、地区指定が行われ、指定地区における各種の規制によって維持されてきた。これまで、長野県で扱う都市計画行政の一環であり、各市町村の風致地区の取り扱いは、長野県の条例を遵守するものであった。平成27年度に各市町村に権限移管があり、そのため、各市町村の風致条例が必要となるということであった。
 「風致地区とは、都市の中の風致を維持するため、良好な自然環境を保持している区域や史跡等がある区域などで、都市計画で定められた地域地区です。風致地区の区域内では、建築物や工作物の建築、宅地の造成など風致の維持に影響を及ぼす行為をしようとする場合は、市長の許可をうけなければなりません。」とある。

風致条例
 これから作られる松本市の風致条例は、これまでの申請の手引きを市独自に制定して良いというのであるが、これまで以上の指定地区の規制には、異論が出そうである。景観条例による松本城周辺の建物の高さ規制は、26mに及んでおり、天守閣は建物の中に埋まっている状態であるので、風致地区内の高さ規制が15mであるのは、まだ、高いハードルなので、現行以上に規制を強化するのは難しいということである。
 風致条例が目的とする都市の中に存在する風致とはなんだろうか?松本市風致地区は3カ所、浅間温泉周囲の山林、松本城の外堀内の区域、城山公園とその隣接区域である。松本城なくして松本の風致が無い事は確かであるし、城山や浅間温泉も同様であろう。アルプス公園の拡張工事の完成の式典に来賓の挨拶で、この工事の完了で松本市の風致を向上させるものとなると述べていたことを思い出す。松本の風致を高める場所と要素は他にも多いであろう。しかし、松本市の風致が何かは簡単には言いがたいが、なにかあることを感じる。緑の市民会議では、風致条例の案を検討するのに、松本の風致とは何かを質問する人は誰もいなかった。